大磯の海岸は、大磯漁港を挟んで、海水浴場の北浜海岸と岩礁の照ケ埼海岸に分かれています。
旧陸軍軍医総監の松本順が明治18年(1885年)に開設した、日本で初めての海水浴場は、今の海水浴場の北浜海岸ではなく、アオバト飛来の照ケ埼海岸のほうでした。
## 照ヶ崎海岸に飛来するアオバト
大磯町の照ヶ崎海岸は、日本国内でも屈指のアオバトの飛来地として知られています。この美しい鳥は、毎年5月初旬から10月頃まで、塩分やミネラルを補給するためにこの海岸に飛来し、特に7月から8月の梅雨明け後の晴れた日には多くのアオバトを見ることができます。
### アオバトの特徴
アオバトは全長約33センチメートルで、その美しい緑色の羽が特徴です。オスの翼の肩の部分はブドウ色をしており、全体が緑色のメスとは簡単に区別できます。アオバトの主な食物は木の実や果実であり、海水を飲むことで繁殖期に必要なナトリウムを補給していると考えられています。
### 照ヶ崎海岸への飛来
アオバトは丹沢山地から飛来し、照ヶ崎海岸の岩礁の窪みにたまった海水を飲みます。飛来のピークは日の出から10時頃、そして夕方です。照ヶ崎海岸はアオバトが集団で海水を飲む光景が見られる場所として全国的に有名で、多くの野鳥ファンや観光客が訪れます。
大磯照ヶ埼海岸
昔、蛸之丞という漁師が海中から引き揚げたタコが、光輝く千手観音に姿を変え、千手観音を引き揚げた海岸を「照ヶ埼」と呼ぶようになったと言われている。
また、1996年に照ヶ埼海岸は「アオバト」が海水を飲みに来る珍しい集団飛来地として神奈川県の天然記念物に指定されている。
### 観察のポイント
アオバトは比較的警戒心が少なく、磯遊びをしている人々をそれほど怖がりませんが、カメラのシャッター音には敏感です。そのため、観察や撮影はなるべく離れた場所から望遠鏡などを使用することが推奨されています。地元の野鳥観察グループ「こまたん」は、観察者に対して「日中はアオバトが住処に戻るため、観察は早朝がおすすめ」とアドバイスしています。
「大磯照ヶ崎海岸のアオバト観察ガイド:絶景と塩分補給の謎」まとめ
大磯町の誇る自然の宝物、アオバト。その美しい姿と不思議な生態を観察に、ぜひ照ヶ崎海岸を訪れてみてはいかがでしょうか。初夏から秋にかけて、貴重な自然体験ができる場所として、多くの野鳥ファンや自然愛好家に親しまれています。